安全なインプラントの骨移植

インプラント治療における安全な骨移植材料について

インプラントを行なう場合、患部の顎骨の状態によっては骨移植が必要になる場合もあります。

顎骨に人工歯根を埋め込むことによって固定し、安定した状態をもたらすインプラント。その状態を維持するためには一定の骨量が必要になります。しかし、人によっては骨量が足りずに、そのままではインプラント手術が出来ない場合があるのです。

そんな場合はどう対処すればいいのか、と言いますと骨を移植し、不足している部分に継ぎ足すことでインプラントに必要な骨量を得ることができます。

インプラント認定医

骨移植の際に使用する移植骨材料にはいくつかの種類があります。まず自分の骨。それから他人の死体から採取した骨、動物、とくに牛の骨を加工して作られた骨材料、それから人工的に造られた100%化学合成の骨移植材用です。これらの中ならどれでも良いというわけではありません。特に、動物を原料にした移植骨材料の中には移植時後のリスクが伴うものもあると訴える歯科医師もいます。

たとえば他人や動物の骨の場合、感染症のリスクが全く無いとは言い切れないでしょうし、牛の骨はそのまま患者の体内に残存してしまい、患者自身の骨に置き換わる事はないという問題点を抱えています。そのため、歯科医院によっては、感染や残存の心配が無いβ-TCPなどの安全な人工の骨を使用して骨移植をしている歯科医院もあります。

人工の骨にも大きく分けて2種類あります。「ハイドロキシアバタイト」と呼ばれるタイプと、「β-TCP」と呼ばれるタイプです。このうち、HAの方は移植後体内に一生残存し続けるなど問題点があります。それに対してβ-TCPの方は骨を構成する成分に非常に近い化合物で造られており、移植して数ヶ月に骨と置きかわることで体内に残存しないという大きなメリットを持っています。人工骨なので感染のリスクもなく、もっとも安全な骨移植材料のと言われています。

歯科医院によっては、骨移植の際に牛の骨やハイドロキシアパタイトなどの限られた材料しか用意していないところもあります。インプラントに骨移植が必要と診断された場合はβ-TCPのような安全性の高い人工骨を提供しているか、事前にチェックするよう心がけるとより安全な手術を受けることができるでしょう。